NISSHAは2026年9月4日、2026年5月20日に株式60%を取得して連結子会社としていたベトナムのUSMについて、保有株式を譲渡すると公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)USMの取締役である個人(NISSHAの連結子会社の取締役。氏名は開示資料に記載があるが本記事では記載しない)
譲渡(売り手)NISSHA株式会社(7915・東証プライム)
譲渡対象USM HEALTHCARE MEDICAL DEVICES FACTORY JOINT STOCK COMPANY(2012年10月設立、資本金282,681,280,000ベトナムドン)(医療機器の製造・販売)
所在地ベトナム
手法株式譲渡。2026年5月20日に取得した株式60%のうち、50%を2026年9月中旬、10%を2027年9月中旬〜2028年9月中旬に譲渡する予定
対価譲渡株式数16,960,877株(議決権16,960,877個)。譲渡価額は当事者間の守秘義務により非開示。譲渡後の所有は0株
日程2026年5月20日 USM株式60%を取得し連結子会社化/2026年9月4日 取締役会決議・契約締結/2026年9月中旬 USM株式の50%を譲渡(予定)/2027年9月中旬〜2028年9月中旬 USM株式の10%を譲渡(予定)

当初の取得は、USMの既存事業の強化・効率化を図るとともに、同社の東南アジアにおける医療機器CDMOの地理的拡大を推進することを目的としたものでした。

開示資料によれば、2026年8月4日付で公表した第2四半期(中間期)決算発表の延期および半期報告書の提出期限延長申請の検討に関する開示のとおり、USMに対するPMI(買収後の経営統合プロセス)および初回の連結決算の過程において、買収前の期間にUSMで循環取引を中心とする不適切な会計処理が行われていたことが判明しました。同社は現在、外部専門家を含む調査体制により事実関係の確認など調査を継続しているとしています。この件はNISSHAによる買収前にUSMの役職員によって開始されたものであり、NISSHAが関与したものではないと記載されています。

譲渡株式数は16,960,877株(議決権16,960,877個)で、譲渡後の所有は0株となります。譲渡価額は当事者間の守秘義務により非開示です。譲渡先はUSMの取締役である個人です(出典:NISSHA株式会社 2026年9月4日公表資料)

日程は、2026年9月4日に取締役会決議および契約締結、株式譲渡実行日は2026年9月中旬にUSM株式の50%、2027年9月中旬〜2028年9月中旬に10%の予定です。2026年12月期の個別決算および連結決算において関係会社株式売却損益を計上する見込みとされています(出典:NISSHA株式会社 2026年9月4日公表資料)

出典: NISSHA株式会社(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「連結子会社(特定子会社)の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」(2026年09月04日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買ったあとに、買う前の会計処理の問題が見つかりました。しかも、見つかったのは統合作業と最初の連結決算の過程です。調査の段階では出てこなかったということです。

循環取引は、実態のない売買を複数社でぐるぐる回して売上を膨らませるものです。帳簿の上では取引が成立しているので、書類を見るだけでは分かりにくい形です。

結果として、買ってから四か月足らずで手放しています。売る相手は、その会社の取締役。元の経営側に戻す形です。

中小企業の譲渡でも、売上の中身は必ず確かめられます。誰にいくら売ったのか、その相手は実在するのか、代金は本当に入っているのか。売り手の側も、聞かれる前に自分で確かめておくことです。

買い手に後から発覚すると、価格の話では済まなくなります。契約には、表明保証という形で「隠していることはない」と約束する条項が入ります。違っていれば、賠償や契約の解除につながります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。