スターシーズは2026年9月10日、連結子会社であるチチカカの全株式をジェリービーンズグループへ譲渡したと公表しました。ジェリービーンズグループも同日、取得についての開示と補足資料を公表しています。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社ジェリービーンズグループ(3070・東証グロース)(3083・)
譲渡(売り手)スターシーズ株式会社(3083・旧商号 株式会社シーズメン)
譲渡対象株式会社チチカカ(スターシーズが2022年に子会社化)(エスニックファッション及びエスニック雑貨の企画・製造・販売)
所在地日本
手法株式譲渡(全株式の譲渡)。譲渡価額は1円
対価譲渡株式数80,000株(議決権80,000個、議決権所有割合100%)、譲渡価額は金1円。チチカカが債務超過の状態にあること、同社の収益状況及び財政状態等を総合的に勘案し、譲渡先との協議の結果決定。アドバイザリー費用は発生しない
日程2026年9月10日 取締役会決議・株式譲渡契約締結・株式譲渡実行

開示資料によれば、スターシーズ(当時の商号は株式会社シーズメン)は2021年11月30日付の基本合意書締結の公表を経て、エスニックファッション及びエスニック雑貨の企画・製造・販売を営むチチカカの株式を取得し、2022年に子会社化していました。当該株式取得は、同業であるチチカカをグループに加えることにより、雑貨分野のノウハウの相互活用、販売スタッフの交流による人材活性化、共通する商業施設テナントにおける配送・出店業務の共同化等の相乗効果を図ることを目的としたものでした。

子会社化以降、スターシーズはチチカカの事業運営を支援してきましたが、コロナ禍を経た消費者のライフスタイルの変化、ECチャネルの競争激化、仕入コストの上昇等の影響により、当初期待した相乗効果の実現には至らず、チチカカの収益環境は厳しい状況が続いていたとされています。

譲渡株式数は80,000株(議決権80,000個、議決権所有割合100%)で、譲渡価額は金1円です。譲渡価額については、チチカカが債務超過の状態にあること、同社の収益状況及び財政状態等を総合的に勘案し、譲渡先との協議の結果決定したものとされています。アドバイザリー費用は発生しません(出典:スターシーズ株式会社 2026年9月10日公表資料)

ジェリービーンズグループ側の補足資料には、チチカカの独自の提案力・商品企画力・ブランド力が今後注力するライフスタイル事業との親和性が高く、グループの事業領域の拡大に資すると判断したと記載されています。取得価額は金1円、日程は取締役会決議・株式譲渡契約締結・株式譲渡実行がいずれも2026年9月10日です(出典:株式会社ジェリービーンズグループ 2026年9月10日公表資料)

出典: スターシーズ株式会社(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」(2026年09月10日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

株の値段が一円です。債務超過の会社で、株そのものには値段が付かなかった、ということです。

それでも買い手がいます。ブランドと商品企画の力を評価しています。株に値段が付かないことと、事業に価値が無いことは別だということです。

売る側は四年前に買った会社を手放しています。買ったときに期待した相乗効果が出なかった、と自分で書いています。買収が思ったように働かないことは起こります。

中小企業の譲渡でも、債務超過の会社が一円で動くことはあります。買い手は株の代金を払わないかわりに、借入と保証を引き受けます。

売り手にとっては、株の対価はほとんど入りません。それでも会社と従業員が続き、個人保証から外れる道があるなら、選ぶ理由はあります。手取りの額だけで決める話ではありません。

アドバイザリー費用が発生していないことも書かれています。相手が決まっている取引では、仲介を入れない形もあります。

この業種のM&A・事業承継のページを見る

本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。