スクロールは2023年10月10日、株式会社サンワネッツの株式を取得して子会社化することに向け、独占交渉権を得て協議を進めることについて、同社の大株主である個人2名と基本合意書を締結することを取締役会で決議したと公表しました。決定ではなく、協議の開始です。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社スクロール(8005・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社サンワネッツの大株主である個人2名(開示資料の持株比率は38.31%と13.22%、その他が48.47%) |
| 譲渡対象 | 株式会社サンワネッツ(一般貨物運送業、倉庫業、流通加工業、通販代行、化粧品・医薬部外品製造業、システム開発業、宅地建物取引業、人材派遣業) |
| 所在地 | 静岡県袋井市 |
| 手法 | 株式取得(子会社化)に向けた基本合意。独占交渉権を得て協議を進める段階で、取得の決定ではありません |
| 対価 | 未定(開示資料は、取得株式数・取得価額・取得後の所有株式の状況は現時点で決定しておらず、協議により決定次第速やかに開示すると記載。価額と妥当性は交渉の過程でデューディリジェンスを実施して算定するとしています) |
| 日程 | 2023年10月10日 取締役会決議・基本合意書締結/2023年11月15日(予定) 株式譲渡契約締結/2024年1月4日(予定) 株式譲渡実行 |
対象会社は1970年7月1日設立、所在地は静岡県袋井市、資本金は100百万円で、一般貨物運送業、倉庫業、流通加工業、通販代行などを行っています。取得前の持株比率は個人2名が38.31%と13.22%、その他が48.47%です(出典:株式会社スクロール 2023年10月10日公表資料)
対象会社の2023年3月期は連結売上高12,146百万円、連結営業利益723百万円、連結経常利益810百万円、親会社株主に帰属する当期純利益540百万円、連結純資産4,561百万円、連結総資産13,636百万円です(出典:株式会社スクロール 2023年10月10日公表資料)
取得株式数と取得価額は現時点で決定していません。開示資料は、協議により決定次第速やかに開示するとし、価額とその妥当性については交渉の過程で適切なデューディリジェンスを実施して算定するとしています。
日程は、2023年11月15日に株式譲渡契約の締結、2024年1月4日に株式譲渡の実行が予定とされています(出典:株式会社スクロール 2023年10月10日公表資料)
買い手は、2023年度からの中期経営計画でEC・通販企業からダイレクトマーケティングのソリューション会社への転換を目指していること、対象会社が関東・静岡・中京を結ぶ事業基盤を持つことを記載しています。買い手の子会社と対象会社の間には、倉庫内業務に関する取引が既にあるとしています。
出典: 株式会社スクロール「株式会社サンワネッツの株式取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ」(2023年10月10日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
この開示は、買うと決めた知らせではありません。独占して話す権利を得て、調べながら条件を詰める段階です。
価額が「未定」と書かれています。調査をしてから決めるという順番で、先に金額を決め切らない進め方です。
譲渡契約まで約一か月、実行まで約三か月の予定が示されています。合意から引き渡しまでには、それだけの作業が入ります。
売り手は二人の個人で、合わせても過半に届きません。残りを持つ株主の意向も、まとめる対象になります。株主が分散している会社では、ここが最初の難所です。
買い手と対象会社には、もともと取引がありました。仕事を通じて互いを知っている相手は、話が早く、調査でも見える部分が多くなります。
予定の日付が入っている開示でも、ずれることがあります。基本合意は、約束の順番を示したものです。