共栄セキュリティーサービスは2023年10月17日、株式会社セキュリティの全株式を取得して子会社化することについて、株主との間で株式譲渡契約を締結することを取締役会で決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 共栄セキュリティーサービス株式会社(7058・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 株式会社セキュリティの株主(個人1名が57.5%を保有し、残りは経営陣等。開示資料はその他の相手先を守秘義務により非開示と記載) |
| 譲渡対象 | 株式会社セキュリティ(警備業(施設警備業務、交通誘導警備業務の人的警備事業)) |
| 所在地 | 埼玉県所沢市 |
| 手法 | 株式譲渡(全株式を取得して子会社化) |
| 対価 | 非開示(開示資料は「相手先の意向により、非開示」と記載) |
| 日程 | 2023年10月17日 取締役会決議・株式譲渡契約締結/2023年10月26日 株式譲渡実行 |
取得株式数は1,110株(議決権1,110個)で、取得前の議決権所有割合は0%、取得後は100.0%です(出典:共栄セキュリティーサービス株式会社 2023年10月17日公表資料)
対象会社は1988年2月5日設立、本社は埼玉県所沢市、資本金は42百万円で、施設警備業務や交通誘導警備業務の人的警備事業を行っています。株式は個人1名が57.5%を保有し、残りは経営陣等と記載されています(出典:共栄セキュリティーサービス株式会社 2023年10月17日公表資料)
対象会社の2022年8月期は売上高582百万円、営業利益21百万円、経常利益23百万円、当期純利益0百万円で、純資産はマイナス14百万円、総資産289百万円です。純資産は2020年8月期がマイナス29百万円、2021年8月期がマイナス14百万円と、3期とも負の値が記載されています(出典:共栄セキュリティーサービス株式会社 2023年10月17日公表資料)
取得価額は非開示です。開示資料は「相手先の意向により、非開示とさせていただきます」と記載しています。相手先のうち個人1名の氏名・住所は記載され、その他の相手先は株式譲渡契約における守秘義務を踏まえ非開示としています。
買い手は、長期視点の経営方針として売上高800億円・社員数2万人を目指していること、2023年10月2日に神奈川県等の警備会社を子会社化し連結従業員数が2,674名(就業人員数)であること、本件により2,855名となる見通しであることを記載しています(出典:共栄セキュリティーサービス株式会社 2023年10月17日公表資料)
取得の理由として、人員数とエリアの補完体制の拡充、規模による料金改定の実現、スケールメリットによる利益創出が挙げられています。連結業績への影響は精査中としています。
出典: 共栄セキュリティーサービス株式会社「株式会社セキュリティの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」(2023年10月17日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
純資産がマイナスの会社です。それでも全株式の買い手が付いています。帳簿の上で資産より負債が多いことは、売却できない理由にはなりません。
営業段階では黒字が出ています。帳簿の純資産と、毎年の稼ぎは別の話です。買い手は後者を見ていることがあります。
株主は一人ではなく、過半を持つ個人と経営陣に分かれていました。全部を集めるには、それぞれと話をまとめる必要があります。
開示では、過半を持つ個人の名前だけが出て、ほかの株主は守秘義務で伏せられています。誰を出すかは契約で決められます。
買い手は同じ月に別の警備会社も買っています。同じ業種を続けて買う会社は、売り手から見れば手順に慣れた相手です。
理由に「料金改定の実現」が挙げられています。小さいままでは上げにくい単価が、まとまることで上げられるという見方です。
契約から引き渡しまで九日です。話し合いが先に済んでいれば、表に出てからは早く終わります。