リンテックは2023年10月19日、子会社であるシンガポール法人とその子会社であるインドネシア法人が、PT Multiyasa Swadaya(本社:インドネシア・ジャカルタ州)の発行済株式の100%を取得し子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。買い手から見れば孫会社化にあたります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | リンテック株式会社(7966・東証プライム市場) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | PT Multiyasa Swadaya の株主(持株比率40.8%の法人1社と個人3名) |
| 譲渡対象 | PT Multiyasa Swadaya(ラベル用粘着紙・粘着フィルムなどの裁断加工・販売) |
| 所在地 | インドネシア・ジャカルタ州 |
| 手法 | 株式譲渡。買い手の100%子会社であるシンガポール法人とその100%子会社であるインドネシア法人が、発行済株式の100%を取得。買い手から見れば孫会社となる |
| 対価 | 株式売買代金111,842百万IDR(1,085百万円)。法務・税務・財務調査費用(概算)280千US$(42百万円)を加えた合計(概算)は1,127百万円。1IDR=0.0097円で換算(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料) |
| 日程 | 2023年10月19日 取締役会決議/2023年10月19日(現地時間・予定) 株式売買契約締結/2024年1月中旬(現地時間・予定) クロージング(株式取得日) |
取得株式数は40,218株(100.0%)で、取得前の所有株式数は0株(0.0%)です。取得後はシンガポール法人が39,816株(99.0%)、残りをインドネシア法人が保有します(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料)
取得価額は株式売買代金111,842百万IDR(1,085百万円)です。法務・税務・財務調査費用(概算)280千US$(42百万円)を加えた合計(概算)は1,127百万円です。1IDR=0.0097円で換算されています(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料)
対象会社は1992年4月22日設立、所在地はインドネシア・ジャカルタ州、資本金は18,218百万IDR(177百万円)で、ラベル用粘着紙・粘着フィルムなどの裁断加工・販売を行っています。大株主の持ち分比率は40.8%です(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料)
対象会社の2022年12月期は売上高264,359百万IDR(2,564百万円)、営業利益はマイナス1,844百万IDR(マイナス18百万円)、当期純利益はマイナス2,486百万IDR(マイナス24百万円)、純資産80,585百万IDR(782百万円)です。売上高は3期連続で増加している一方、営業利益と当期純利益は3期ともマイナスです(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料)
対象会社は買い手の連結子会社であるインドネシアの製造会社の発行済株式54,000株のうち1,700株(3%)を所有しており、買い手の連結子会社から製品を仕入れる取引関係があると記載されています(出典:リンテック株式会社 2023年10月19日公表資料)
クロージングは株式売買契約に定める条件の充足後となります。買収資金は自己資金により充当する予定です。
出典: リンテック株式会社「当社連結子会社によるインドネシア法人の株式取得に関するお知らせ」(2023年10月19日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
売上は伸びているのに、営業の段階では三期続けて赤字でした。それでも十億円を超える対価が付いています。買い手が見ていたのは、加工する力と販売の網です。
対価の内訳に、調査にかかった費用まで並べて書かれています。本体の代金と、調べるためのお金は別です。売り手の側も、手取りを数えるときは自分が払う費用を分けて考えます。
買い手は、相手の会社から見れば仕入先でした。既に取引がある相手を買う形は、互いの事情が分かっているぶん進みやすくなります。
対象会社は、買い手の子会社の株も少し持っていました。持ち合いのある相手では、買ったあとに整理する対象が増えます。
引き渡しは、契約に定めた条件が満たされてからと書かれています。契約を結んだ日に終わるわけではありません。何を条件にするかは交渉の論点です。
買収の資金は自己資金としています。借入を使わない買収では、資金の手当てを待たずに日程を組めます。
契約から引き渡しまで三か月近くあります。海外の会社では、現地の許認可や登記の手続きが入ります。