ドラッグストアのマツキヨココカラ&カンパニーは2024年11月14日、株式会社AppBrewの株式26,849株を取得し、議決権所有割合100.0%とすることを公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社マツキヨココカラ&カンパニー(3088・東証プライム) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社AppBrew(化粧品の口コミメディア「LIPS」の運営) |
| 所在地 | 日本 |
| 手法 | 株式取得。26,849株(議決権所有割合100.0%)を取得 |
| 対価 | 非開示(取引先との契約上の機密事項であるため非開示。買い手の財務状況に及ぼす影響は軽微と記載) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年11月14日/株式譲渡実行 2024年12月2日(予定) |
取得価額は取引先との契約上の機密事項であるため非開示とされ、買い手の財務状況に及ぼす影響は軽微であると記載されています(出典:株式会社マツキヨココカラ&カンパニー 2024年11月14日公表資料)。
開示資料によれば、対象会社が運営する「LIPS」は化粧品に関するユーザーのリアルな声が集まるメディアであり、その膨大なデータ資産が買い手の「プラットフォーム構想」において中核的な役割を担うとしています。
買い手は、蓄積されたユーザーの嗜好データやオンライン行動データを自社グループのデータ基盤と統合することで顧客への理解を深め、各種サービスや商品提案の精度を向上させるとしています。
株式譲渡実行日は2024年12月2日を予定しています(出典:株式会社マツキヨココカラ&カンパニー 2024年11月14日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
買い手が挙げている価値は、設備でも店舗でもありません。利用者が書き込んだ声と、その行動の記録です。データそのものが理由として書かれています。自社が長く集めてきた情報に、値段が付くことがあるという例です。
ただしデータは、譲渡のときに扱いが難しい資産でもあります。誰の情報を、どういう約束で集めたのか。利用規約や同意の取り方が、そのまま引き継げるかどうかを左右します。顧客名簿や利用履歴を強みにするなら、その集め方の記録も一緒に整えておく必要があります。
取得価額は「取引先との契約上の機密事項」として非開示です。相手との約束で金額を出さないという整理です。金額の公表は買い手が一人で決められるものではありません。
買い手はドラッグストアで、相手はインターネットのメディアです。同じ業界ではありません。自社の顧客と、相手の顧客が重なるところに理由があります。相手を同業に限って考えなくてよいということです。
契約から実行まで三週間ほどです。株主構成が単純で必要な手続が少なければ、この速さで動けます。