地盤調査改良事業を手がけるSAAFホールディングスは2024年11月26日、株式会社ユーシンの株式100株を取得し、議決権所有割合100%とすることを公表しました。開示資料は、対象会社の純資産の額が買い手の純資産の額の30%以上となるため、特定子会社に該当すると記載しています(出典:SAAFホールディングス株式会社 2024年11月26日公表資料)。
開示された事実
| 譲受(買い手) | SAAFホールディングス株式会社(1447・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ユーシン(場所打ちコンクリート杭工事) |
| 所在地 | 関東地区 |
| 手法 | 株式取得。発行済株式100株(議決権所有割合100%)を取得。対象会社の純資産の額が買い手の純資産の額の30%以上となるため特定子会社に該当 |
| 対価 | 非開示(守秘義務履行のため非開示。第三者機関によるデューデリジェンスおよび株価算定等を勘案して決定、買い手の2024年3月期における連結純資産の60%程度になると記載) |
| 日程 | 取締役会決議・株式譲渡契約締結 2024年11月26日/株式譲渡実行 2024年12月20日(予定) |
取得価額は、守秘義務履行のため非開示とされています。開示資料は、取得価額について第三者機関によるデューデリジェンスおよび株価算定等を勘案して決定したとし、本件株式取得価額が買い手の2024年3月期における連結純資産の60%程度になると記載しています(出典:SAAFホールディングス株式会社 2024年11月26日公表資料)。
対象会社は資本金5百万円で、関東地区を中心に場所打ちコンクリート杭工事を展開しています。純資産は432百万円、541百万円、590百万円、売上高は1,681百万円、1,671百万円、1,724百万円と推移しています(出典:SAAFホールディングス株式会社 2024年11月26日公表資料)。開示資料は、直近時点(試算表からの速報値)では営業利益331百万円を計上していると記載しています。
買い手は、対象会社が難度の高い工事の施工が可能なだけでなく柔軟な施工体制を組むことができるため取引先からの高い信頼を得ており、複数の大手の取引企業から専門施工会社としての認定を受けていると説明しています。工事用治具や工法の特許を保有し、日本において8社のみ施工が可能な工法の認定会社であるとしています(出典:SAAFホールディングス株式会社 2024年11月26日公表資料)。
取得の理由として買い手は、連結子会社が展開を企図している領域を対象会社が専門にしていると述べ、対象会社のノウハウを活用して場所打ちコンクリート杭工事事業の拡大を目指すとしています。東南アジア、特に事業基盤を有する地域における基礎杭工事案件の獲得も挙げています。株式譲渡実行日は2024年12月20日を予定しています。
中小企業の経営者は、どう読むか
取得価額は非開示ですが、「買い手の連結純資産の六割程度」という言い方で規模が書かれています。金額を出さずに大きさだけを伝える書き方です。売り手として金額の公表を望まない場合でも、買い手の側には説明する必要があり、こうした形になります。
対象会社の純資産が買い手の純資産の三割以上あるため、特定子会社に該当すると書かれています。買い手にとって、自社の規模に比べて大きな買い物だということです。買い手の体力に対して自社がどのくらいの大きさなのかは、相手が真剣に検討できるかを左右します。
評価されているのは売上ではありません。難度の高い工事ができること、柔軟に施工体制を組めること、大手から専門施工会社として認定されていること、そして全国で八社しか施工できない工法の認定を持っていることです。できる会社が限られていること自体が、価値になっています。
特許と治具を持っていることも理由に挙げられています。特許は持っているだけでは評価されませんが、それが実際の受注につながっているなら話が変わります。自社の技術がどの仕事を取るのに効いているかを言えると、伝わり方が変わります。
直近の営業利益が「試算表からの速報値」として書かれています。決算を待たずに、いまの数字を出しています。月次の資料が整っている会社は、いつでも現状を説明できます。これは譲渡の話が来たときに効いてきます。