保育・介護事業を手がけるテノ.ホールディングスは2024年12月20日、子会社の株式会社フォルテが株式会社飛翔と株式会社愛翔会の株式を取得することを公表しました。取得株式数は飛翔が200株、愛翔会が68株で、いずれも取得後の議決権所有割合は100%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社テノ.ホールディングス(子会社の株式会社フォルテが取得)(7037・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社飛翔/株式会社愛翔会(介護事業(高齢者向け住宅の運営など)) |
| 所在地 | 愛知県名古屋市守山区 |
| 手法 | 株式取得。買い手の子会社が2社の株式(飛翔200株・愛翔会68株、いずれも議決権所有割合100%)を取得し、買い手の孫会社とする |
| 対価 | 普通株式300百万円(2社合計)、アドバイザリー費用等(概算額)27百万円、合計(概算額)327百万円 |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年12月20日/株式譲渡実行 2025年1月10日(予定) |
取得価額は2社合計で普通株式300百万円、アドバイザリー費用等の概算額27百万円で、合計の概算額は327百万円です(出典:株式会社テノ.ホールディングス 2024年12月20日公表資料)。
対象会社の売上高は213百万円、240百万円、250百万円、営業利益は26百万円、8百万円、31百万円、当期純利益は17百万円、△50百万円、25百万円と推移しています(出典:株式会社テノ.ホールディングス 2024年12月20日公表資料)。途中の期は当期純損失を計上しています。
相手方については、株式譲渡契約における守秘義務を踏まえ非開示とされています(出典:株式会社テノ.ホールディングス 2024年12月20日公表資料)。
取得の理由として買い手は、2019年12月の事業譲受を契機に介護事業(デイサービス)へ新規参入し、2022年1月には高齢者向け住宅の運営事業を行う会社を子会社化したと説明しています。その後もM&A及び新規開設により施設数を拡大しており、本件も介護事業の更なる拡大を目的として実施するとしています。株式譲渡実行日は2025年1月10日を予定しています。
中小企業の経営者は、どう読むか
二つの会社をまとめて取得しています。関連する会社を複数持っているオーナーは珍しくありません。事業が同じなら、まとめて渡すほうが買い手にとって分かりやすく、価格の交渉も一度で済みます。どの会社に何が入っているかを整理しておくことが前提になります。
対象会社は途中の期に当期純損失を出しています。それでも三億円の値段が付いています。一年の赤字は、譲渡ができない理由にはなりません。なぜその期に損失が出たのかを説明できるかどうかが効きます。
買い手は、二〇一九年の事業譲受から始めて、子会社化と新規開設を重ねて施設を増やしてきたと書いています。同じ業界で買い集めている買い手がいるということです。自分の業界にそういう相手がいるかどうかは、相談の前に知っておく価値があります。
買い手は本体ではなく、その子会社です。渡す側から見れば、契約の相手方は子会社になります。誰と契約し、誰が親会社として後ろにいるのかは、最初に確認しておく項目です。
取得価額とは別に、アドバイザリー費用等が並んで開示されています。株式の代金の一割近い金額です。取引の規模が小さいほど、代金に対する費用の割合は大きくなります。手元にいくら残るかは、そこまで引いた後の話です。