保育事業・介護福祉事業・人材派遣事業を営むQLSホールディングスは2025年1月27日、連結子会社の株式会社和みがタイ王国のCOMMUNITY.JAPAN ASIAN NETWORK CO., LTDの株式を取得し、子会社(同社の孫会社)としたことを公表しました。取締役会決議と株式譲渡契約の締結、株式取得の完了はいずれも同日です。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社QLSホールディングス(連結子会社の株式会社和みが取得)(7075・東証グロース・名証ネクスト)
譲渡対象COMMUNITY.JAPAN ASIAN NETWORK CO., LTD(タイ王国)(介護事業(高齢者グループホーム1施設の運営))
所在地タイ・チェンライ県
手法株式取得(孫会社化。議決権割合49%だが代表者の派遣により子会社に該当)
対価非公表(開示資料に「当事者間の守秘義務により非開示」と記載)
日程取締役会決議・株式譲渡契約締結・株式取得完了 いずれも2025年1月27日

開示資料によれば、取得株式数は24,500株で議決権割合は49%、取得価額は当事者間の守秘義務により非開示とされています。異動後の持分は株式会社和みが49%、パートナーとなる会計事務所のタイ現地法人が51%で、同社グループの従業員が代表となるため株式会社和みの子会社に該当すると記載されています(出典:株式会社QLSホールディングス 2025年1月27日公表資料)。

対象会社は2022年7月にタイのチェンライで設立され、高齢者グループホームを1施設運営しています。資本金は5,000,000タイバーツです(出典:株式会社QLSホールディングス 2025年1月27日公表資料)。

取得の理由として同社は、保育事業に依存しない経営体制を構築するため介護福祉事業と人材派遣事業を拡大する方針であること、対象会社が前年の洪水で被害を受けて閉鎖を検討していたところ、同社グループに加わって事業の再構築を図り施設運営を継続することとなったこと、グループ初の海外施設であるため会計事務所の現地法人をパートナーとしたこと、タイでの事業展開と将来の日本での介護職員の担い手育成を目指すことを挙げています。

出典: 株式会社QLSホールディングス(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「当社連結子会社による株式取得(孫会社化)のお知らせ」(2025年01月27日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

議決権の過半数を持たなくても、代表者を送り込んで実質的に経営を担うのであれば子会社として扱われます。持株比率だけを見て「支配していない」と判断すると、連結の範囲や責任の所在を読み違えます。出資比率と経営の実権は別に確認するものだという例です。

対象会社は災害で被害を受け、閉鎖を検討していた状態から相手が見つかっています。業績が良いときだけが譲渡の機会ではありません。事業を止めるか続けるかの判断を迫られている段階でも、その事業を必要としている相手がいれば話は成り立ちます。

海外の会社を引き継ぐときに、現地の会計事務所の法人を共同出資者に据えている点も参考になります。土地勘のない国では、制度や慣行を分かっている相手と組むことが、買う側のリスクを下げる手立てになります。国内でも、業界の事情に詳しい第三者を間に置くかどうかで進み方が変わります。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。