クリーク・アンド・リバー社は2025年3月19日、取締役会において、連結子会社の株式会社C&Rインキュベーション・ラボが株式会社T&Wオフィスの株式を取得し、同社の孫会社とすることを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社クリーク・アンド・リバー社(連結子会社の株式会社C&Rインキュベーション・ラボが取得)(4763・東証プライム)
譲渡対象株式会社T&Wオフィス(高橋書店グループの持株会社。対象は計5社)(手帳・日記、カレンダー、書籍(児童書、就職・資格取得書、生活書等)の企画・編集・出版)
所在地東京都豊島区
手法株式取得(持株会社が発行するA種優先株式およびB種種類株式の全部を取得し孫会社化)
対価A種優先株式およびB種種類株式9,500百万円、取得関連費用等の概算額15百万円、合計の概算額9,515百万円
日程取締役会決議・株式譲渡契約締結 2025年3月19日/株式譲渡実行日 2025年3月31日(予定)

開示資料によれば、取得したのはA種優先株式6,000株とB種種類株式1株で、議決権所有割合は100%です。対象会社が発行する株式はこの2種類のみと注記されています。取得価額は株式が9,500百万円、取得関連費用等の概算額が15百万円、合計の概算額は9,515百万円です。対象は5社で構成され、5社の財務諸表から算出した簡易連結の売上高は直近3期で8,305百万円、7,943百万円、7,655百万円、連結営業利益は786百万円、735百万円、681百万円です。株主の構成は相手先の要望により非開示とされています(出典:株式会社クリーク・アンド・リバー社 2025年3月19日公表資料)。

対象会社を持株会社とする高橋書店グループは1948年の創業以来、手帳のブランドのもとで手帳・日記および書籍等の企画・編集・出版業を展開しています。

取得の目的として同社は、2022年に設立した子会社が事業創造や事業承継、企業再生支援を目的とした投資事業とCXOエージェンシー事業を展開していること、本件により対象グループの事業承継のニーズに応えるとともに、対象グループの事業基盤・ノウハウと自社がネットワークするプロフェッショナルの知見を組み合わせて新たな価値創造を目指すことを挙げています。

出典: 株式会社クリーク・アンド・リバー社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「当社連結子会社による株式の取得(孫会社化)に関するお知らせ」(2025年03月19日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

買い手は、開示のなかで「事業承継ニーズに応える」と明言しています。成長のための買収というより、承継先として引き受ける形です。買い手側にそういう事業目的を持つ子会社があり、そこが受け皿になっています。承継の相手を探すとき、こうした機能を持つ会社は候補に入ります。

対象会社が発行している株式は、普通株式ではなく二種類の種類株式だけです。承継を見据えて、議決権と経済的な取り分を分けて設計してあったと読めます。種類株式は事業承継の道具として使えますが、設計には専門家の関与が前提になります。

創業から七十年を超える老舗で、ブランドは広く知られています。売上はゆるやかに減っていますが、価格は百億円近くです。伸びていないことが低い評価に直結するわけではなく、安定して利益が出ていることとブランドが評価されています。

対象が五社に分かれており、買い手は各社の財務諸表から簡易な連結を作っています。グループで会社を分けて営んでいる場合、全体像を示す資料が手元にないことが多く、その作成が調査の一部になります。日頃から全体を合わせた数字を持っていると、話が早く進みます。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。