コンクリート二次製品を手がけるベルテクスコーポレーションは2025年3月27日、取締役会において、株式会社IHIから同社の子会社である株式会社IHI建材工業の全株式を取得することを決議し、株式譲渡契約を締結したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ベルテクスコーポレーション(5290・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社IHI建材工業(トンネル・橋梁・プラント等のコンクリート製品を中心とした土木・建築資材の設計・開発・製造販売) |
| 所在地 | 東京都墨田区 |
| 手法 | 株式取得(上場企業から子会社の全株式を取得し子会社化) |
| 対価 | 普通株式1,264百万円(概算額) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2025年3月27日/株式譲渡実行日 2025年10月1日(予定) |
開示資料によれば、取得株式数は普通株式16株で議決権所有割合は100.0%、取得価額は普通株式1,264百万円(概算額)です。対象会社は1974年12月設立、資本金495百万円で、売上高は直近3期で15,185百万円、10,293百万円、12,613百万円、営業利益は1,102百万円、16百万円、10百万円の損失です(出典:株式会社ベルテクスコーポレーション 2025年3月27日公表資料)。
対象会社は都市インフラに用いられるセグメント製品等の設計・開発・製造・販売を手がけています。
取得の理由として同社は、長期ビジョンに基づく中期経営計画の成長戦略の柱としてM&Aを通じた事業ポートフォリオの強化・拡大を推進していること、自社が雨水排出用の管きょや地下式雨水貯留施設の技術に優位性を持つなかで対象会社のセグメント製品群が加わることにより地下トンネル式調節池や地下河川事業への参画が可能になること、両社の力を結集することで大規模なインフラ事業への参画が進むことを挙げています。
株式譲渡の実行日が翌連結会計年度に該当するため、当期の連結業績への影響はないとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
大企業が、自社の事業と直接つながらなくなった子会社を、その分野の専門企業へ渡しています。売り手は総合機械メーカーで、買い手はコンクリート製品の専業です。事業をいちばん活かせる相手に渡すという形で、売り手側にも買い手側にも理屈が通っています。
契約から譲渡の実行まで半年以上が置かれています。同業同士の組み合わせであることや、事業の引き継ぎの準備があるためです。契約が済んでも、その日から会社が動くわけではありません。
対象会社の売上は大きく上下し、直近は営業赤字です。それでも十億円を超える価格がついています。買い手が見ているのは、その会社が持つ製品と、それによって参入できる事業の広がりです。単年の損益ではなく、自社と組み合わせたときに何ができるかで値段がつきます。
発行済株式数がごく少ないのも特徴です。株式の数と会社の規模には関係がありません。一株の価格が大きくなるだけで、渡すときの手続きは同じです。