建設用重量仮設鋼材のリース・販売・工事を主力事業とする丸建リースは2026年9月30日、雄正工業株式会社の株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 丸建リース株式会社(9763・東証スタンダード市場) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | 雄正工業株式会社の株主(個人3名・相手先の意向を踏まえ氏名と持株比率は非開示) |
| 譲渡対象 | 雄正工業株式会社(とび・土工工事業(場所打ち杭工事、地中障害撤去工事)) |
| 所在地 | 東京都新宿区 |
| 手法 | 株式取得(40,000株・議決権割合100%を取得して子会社化) |
| 対価 | 非開示(開示資料に「取得価額については、株式取得の相手先の意向を踏まえ非開示としておりますが、公平性・妥当性を確保するため、各種デューデリジェンス及び株式価値算定を第三者機関に委託し、その結果を参考に、双方協議の上決定しております」と記載) |
| 日程 | 2026年9月30日 取締役会決議・契約締結/2026年10月上旬から中旬 株式譲渡実行予定 |
開示資料によれば、異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0%)、取得株式数は40,000株、異動後は40,000株(議決権割合100%)です。取得価額は相手先の意向を踏まえ非開示とされ、公平性・妥当性を確保するため各種デューデリジェンス及び株式価値算定を第三者機関に委託し、その結果を参考に双方協議の上で決定したと記載されています。日程は、取締役会決議日と契約締結日が2026年9月30日、株式譲渡実行日が2026年10月上旬から中旬の予定です(出典:丸建リース株式会社 2026年9月30日公表資料)。
対象会社は1981年3月設立、資本金20百万円で、株主は個人3名です。直近3期の売上高は2024年4月期が1,051百万円、2025年4月期が1,233百万円、2026年4月期が955百万円、営業利益は同順に36百万円、26百万円、65百万円、純資産は169百万円、194百万円、198百万円です(出典:丸建リース株式会社 2026年9月30日公表資料)。
買い手は、対象会社が1981年の創業以来コンクリートの場所打ち杭工事に特化し、大手ゼネコン各社を主要な取引先としてマンション・工場・病院等の基礎杭工事の施工実績を有すること、杭施工に使用する重機を製造会社と協働して開発・採用することで多様な現場条件への対応を可能にし騒音・振動の低減にも取り組んできたこと、独自開発の工法をはじめとする技術力を持つことを挙げています。基礎工事分野における一貫した施工体制の構築を図るとしています。
出典: 丸建リース株式会社(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「雄正工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2026年09月30日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
売り手は三人の個人で、氏名も持株比率も本人たちの意向で伏せられています。買い手は上場会社でも、売り手が個人なら、名前を出さずに済ませられる場合があります。伏せたいという希望は、条件として最初に伝えられる項目です。
金額も非開示ですが、開示資料はわざわざ「第三者機関に調査と算定を頼み、その結果を参考に話し合って決めた」と書いています。金額を出さない代わりに、決め方の筋が通っていることを示す書き方です。
直近の期は売上が落ちていますが、営業利益は前の期より増えています。工事の会社では、受注の中身によって売上と利益が別々に動きます。売上が減った年があっても、その理由と利益の動きを説明できれば、評価は数字の見た目どおりにはなりません。
買い手が挙げたのは、特化してきたことと、自分たちで工法を開発してきたことでした。特定の工事だけを長くやってきた会社は、その分野で代わりが利きにくくなります。手広くやることだけが強みではありません。
買い手はリース、売り手は施工です。同じ現場に関わりながら、担っている工程が違います。自社の前後の工程にいる会社は、買い手の候補として近いところにいます。