ヴィッツは2023年10月20日、株式会社イーガーの全株式を取得して子会社化することを取締役会で決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社ヴィッツ(4440・東証スタンダード)
譲渡(売り手)株式会社イーガーの株主(個人1名が100%を保有)
譲渡対象株式会社イーガー(ソフトウェア開発の請負・労働者派遣等)
所在地大阪府大阪市北区
手法株式譲渡(議決権の100.0%を取得して子会社化)
対価株式会社イーガーの普通株式 600円(出典:株式会社ヴィッツ 2023年10月20日公表資料)
日程2023年10月20日 取締役会決議/2023年11月10日(予定) 契約締結/2023年12月1日(予定) 株式譲渡実行

取得株式数は600株(議決権600個)で、取得前の議決権所有割合は0.0%、取得後は100.0%です。取得価額は普通株式600円と記載されています(出典:株式会社ヴィッツ 2023年10月20日公表資料)

対象会社は1994年7月20日設立、所在地は大阪府大阪市北区、資本金は30,000千円で、ソフトウェア開発の請負・労働者派遣等を行っています。株式は個人1名が100%を保有していました(出典:株式会社ヴィッツ 2023年10月20日公表資料)

対象会社の2023年6月期は売上高162,415千円、営業利益はマイナス5,423千円、経常利益はマイナス7,529千円、当期純利益はマイナス10,614千円で、純資産はマイナス48,864千円、総資産115,034千円です。純資産は2021年6月期がマイナス22,549千円、2022年6月期がマイナス38,250千円と、3期連続で負の値が拡大しています。一方で営業損失は26,511千円、13,664千円、5,423千円と縮小しています(出典:株式会社ヴィッツ 2023年10月20日公表資料)

買い手と対象会社の間には、買い手のソフトウェア開発への人材派遣という取引関係が既にあると記載されています。

買い手は、ソフトウェア開発体制の強化と人材の拡充を進めていること、対象会社の組込みソフトウェア開発技術が自社の事業領域と親和性が高いこと、経営管理体制の強化とファイナンス面での支援を行うことで業績の回復を図れると見込んでいることを記載しています。2024年8月期の連結業績への影響は現時点では軽微と見込んでいます。

出典: 株式会社ヴィッツ「子会社等の異動を伴う株式取得に関するお知らせ」(2023年10月20日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

取得価額は六百円です。一株あたり一円で、会社の値段としては名目の額にすぎません。それでも譲渡は成立しています。

対象会社は三期続けて純資産がマイナスで、その幅が広がっていました。負債が資産を上回る状態では、株式そのものの値段は付きにくくなります。

値段が付かないことと、譲渡できないことは別です。買い手は株式の代金ではなく、引き受けたあとの支援にお金を使う前提で入っています。

営業段階の赤字は三期で縮んでいました。方向が良くなっているかどうかは、水準そのものと別に見られます。

買い手はもともと、この会社から人を受け入れていました。仕事を通じて互いを知っている相手は、調査で見えない部分が少なくなります。

買い手が挙げた理由は、人材の確保と技術です。会社の帳簿ではなく、そこで働く人を目的にした買収です。

売り手は一人で全株を持つ個人でした。債務超過の会社でも、引き受け先が見つかれば経営から退けます。早めに相談するほど、選べる道は広くなります。

決議から引き渡しまで一か月半あります。支援の前提や引き継ぎの条件を詰める時間です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。