アピリッツは2024年9月30日、株式会社クエイルの株式を取得し完全子会社化することを決議したと公表しました。開示資料には、完全子会社化後も対象会社の代表取締役は引き続き同社の経営に関与すると記載されています。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社アピリッツ(4174・東証スタンダード)
譲渡対象株式会社クエイル(スマホアプリ・Webアプリケーション開発、AWSを主軸としたインフラ・クラウドサービスの構築・移行・運用、Webサイト制作)
所在地鹿児島県鹿児島市
手法株式取得(1,320株・議決権所有割合100.0%を取得。完全子会社化後も対象会社の代表取締役は引き続き同社の経営に関与)
対価株式62,000千円、アドバイザリー費用等(概算額)27,800千円、合計89,800千円
日程2024年9月30日 取締役会決議・契約締結/2024年10月1日 株式譲渡実行

開示資料によれば、異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、取得株式数は1,320株、異動後は1,320株(議決権所有割合100.0%)です。取得価額は株式が62,000千円、アドバイザリー費用等の概算額が27,800千円、合計89,800千円です。日程は、取締役会決議日と契約締結日が2024年9月30日、株式譲渡実行日が2024年10月1日です(出典:株式会社アピリッツ 2024年9月30日公表資料)。

対象会社は2013年11月1日設立、資本金20,300千円で、鹿児島県鹿児島市を拠点にクラウドベースのアプリケーションやWeb系・スマートフォンアプリの開発、Webサイト制作等を手がけています。取得前の株主は個人2名が58.3%と13.6%、KFG地域企業応援投資事業有限責任組合が24.2%、株式会社鹿児島銀行が3.8%を保有していました。直近3期の売上高は2021年9月期が141,818千円、2022年9月期が142,198千円、2023年9月期が157,802千円、営業利益は同順に△16,014千円、△2,766千円、2,147千円です(出典:株式会社アピリッツ 2024年9月30日公表資料)。

買い手は、中期的な成長戦略として同領域の事業を営む企業のM&Aに取り組み、売上規模の拡大と同時にノウハウの強化と優秀な人材の迎え入れを実現することを方針に掲げていると説明しています。対象会社の事業が自社のWebソリューション事業と親和性が高く、新たな地域での採用力強化や顧客の獲得など地方での事業展開等が期待できるとしています。

出典: 株式会社アピリッツ(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「株式会社クエイルの株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」(2024年09月30日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

アドバイザリー費用等が、株式の代金の半分に近い額になっています。譲渡の金額が小さいと、手続きにかかる費用の割合が大きく見えます。調べる作業や契約書を作る作業は、会社の大きさに比例して軽くなるわけではないためです。

だからといって、小さい会社が譲渡できないという話ではありません。買い手がこの費用を払ってでも欲しいものがあれば、取引は成り立ちます。ただ、金額の規模によって手数料の重みが変わることは、最初に知っておくところです。

対象会社の株主には、地域の金融機関とファンドが入っていました。こうした株主は、いずれ持分を現金に換えることを前提にしているので、譲渡の話には前向きに動きます。一方で、価格の考え方は創業者と違うこともあります。

買い手は、完全子会社化後も対象会社の代表が経営に関わり続けると書いています。全部の株式を渡しても、経営から離れるかどうかは別の話です。残って引き継ぎをしたいのか、早く離れたいのかは、条件として伝えられます。

買い手が挙げた理由のひとつは、その地域で人を採れるようになることでした。会社の所在地が、買い手にとっての値打ちになる場合があります。都市から離れていることを弱みだと思い込まないほうがよい、ということです。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。