ソフトウェア開発のテンダは2024年12月13日、インテリジェントシステムズ株式会社の普通株式の一部(発行済株式数の80%)を取得し子会社化することを決議したと公表しました。取得株式数は32,000株で、取得後の議決権所有割合は80%となります。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社テンダ(4198・東証スタンダード) |
|---|---|
| 譲渡対象 | インテリジェントシステムズ株式会社(業務用アプリケーションなどのソフトウェア開発及びコンピュータシステムの運用・保守) |
| 所在地 | 東京都文京区 |
| 手法 | 株式取得。法人株主から発行済株式数の80%を取得して子会社化(残りは従前の株主が保有) |
| 対価 | 取得価額76百万円(アドバイザリー費用等25百万円) |
| 日程 | 取締役会決議・契約締結 2024年12月13日/株式譲渡実行 2024年12月25日(予定) |
取得価額は76百万円で、これとは別にアドバイザリー費用等が25百万円と記載されています(出典:株式会社テンダ 2024年12月13日公表資料)。
対象会社は1978年5月12日設立、資本金20百万円で、公表時点の大株主は法人株主が100%を保有していました。売上高は320百万円(2022年3月期)、337百万円(2023年3月期)、363百万円(2024年3月期)、営業利益は9百万円、20百万円、23百万円、純資産は82百万円、93百万円、106百万円です(出典:株式会社テンダ 2024年12月13日公表資料)。
対象会社は生産管理・物流システムやビル入退室管理システム、公営競技、官庁向けシステムなどの業務アプリケーション開発と、自社が開発したシステムの運用・保守を手がけています。
取得の理由として買い手は、対象会社が長い歴史の中で培った実績とそれに裏付けられた開発力と顧客基盤が自社グループに加わることでDXソリューション事業のさらなる拡大が想定され、新規ソリューションビジネスの創出、ひいては受託開発事業の成長へと繋がると判断したとしています。株式譲渡実行日は2024年12月25日を予定しています(出典:株式会社テンダ 2024年12月13日公表資料)。
中小企業の経営者は、どう読むか
この取引で目を引くのは、代金と費用の比です。株式の代金が七千六百万円で、これとは別にアドバイザリー費用等が二千五百万円かかっています。取引の規模が小さいほど、代金に対する費用の割合は大きくなります。手元にいくら残るかを考えるなら、譲渡価額だけを見ていては足りません。
取得したのは全株式ではなく八割です。残りは従前の株主が持ち続けます。会社を渡す形は「全部か、ゼロか」ではありません。過半を渡して経営を任せ、一部を残すという設計が実際に使われています。あとから残りを渡すのか、持ち続けるのかを、最初の契約で決めておく必要があります。
売り手は個人ではなく法人です。会社の上にもう一つ会社がある形で、その親会社が子会社の株式を渡しています。相談を受けたときに、株主が誰なのかを一段上まで確かめる場面です。
対象会社は四十五年以上続いてきた会社で、売上は三億円台、利益は少しずつ増えています。急成長している会社ではありません。それでも買い手は「長い歴史の中で培った実績と開発力と顧客基盤」を理由に挙げています。続いていること自体が評価の対象です。
評価されているのは、官庁や公営競技といった分野での開発実績でした。誰の仕事をしてきたかが価値になっています。取引の履歴は、決算書に載らない資産です。