JSecurityは2026年10月5日、同日開催の取締役会において、Appaegis, Inc.が保有する「Mammoth Cyber Enterprise Browser」に関する固定資産(無形固定資産)を取得することを決議したと公表しました。会社や株式の取得ではなく、譲渡人が自社開発し保有する製品の知的財産権等の技術資産を取得するものです。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社JSecurity(481A・TOKYO PRO Market) |
|---|---|
| 譲渡(売り手) | Appaegis, Inc.(米国カリフォルニア州パロアルト。Enterprise Browserを中心としたサイバーセキュリティソフトウェアの開発及び販売) |
| 譲渡対象 | Appaegis, Inc.が保有する「Mammoth Cyber Enterprise Browser」に関する技術基盤(ブラウザセキュリティの技術基盤(技術基盤を構成するソースコード、アルゴリズム、データベース構成データ、及びこれらに付帯する著作権等の無形固定資産)) |
| 所在地 | 米国(カリフォルニア州パロアルト。譲渡人の所在地) |
| 手法 | 固定資産(無形固定資産)の取得。譲渡人が自社開発し保有する製品の知的財産権等の技術資産を取得するもので、会社や株式の取得ではない |
| 対価 | 相手先との守秘義務契約により非開示。開示資料は、取得価額が買い手の前期(2025年12月期)の純資産の30%に相当する額以上となると記載 |
| 日程 | 2026年10月5日 取締役会決議・契約締結・資産取得実行(予定) |
取得する資産は、当該製品に関する技術基盤(技術基盤を構成するソースコード、アルゴリズム、データベース構成データ、及びこれらに付帯する著作権等の無形固定資産)です。取得価額は相手先との守秘義務契約により非開示とされていますが、開示資料は買い手の前期(2025年12月期)の純資産の30%に相当する額以上となると記載しています(出典:株式会社JSecurity 2026年10月5日公表資料)
相手先は、名称がAppaegis, Inc.、所在地が米国カリフォルニア州パロアルト、事業内容がEnterprise Browserを中心としたサイバーセキュリティソフトウェアの開発及び販売、資本金が13百万米ドル(2025年12月31日時点の財務諸表に基づく)、設立年月日が2019年5月6日です。純資産、総資産、大株主及び持株比率は相手先の意向により非開示とされています(出典:株式会社JSecurity 2026年10月5日公表資料)
買い手と相手先の間に資本関係・人的関係・取引関係はなく、関連当事者にも該当しません。
開示資料は取得の理由について、クラウドサービスや生成AIの業務利用が急速に拡大する中、企業における重要情報がWebブラウザを介して取り扱われる機会が増加しており、従来のファイル単位の情報漏えい対策に加えてブラウザ上におけるユーザー操作を含めた新たなセキュリティ対策の重要性が高まっていることを挙げています。
買い手は、本件取得によりブラウザセキュリティに関する技術及び開発基盤を獲得するとともに、これまで培ってきたセキュリティ製品の開発・販売ノウハウ及び販売ネットワークと組み合わせることで、当該製品の日本市場向けのローカライズ及び機能強化を進め、本格的な事業展開を推進できると判断したと記載しています。
日程は、2026年10月5日が取締役会決議日、契約締結日、資産取得実行日(予定)です。3つすべてが同じ日です。本件が当期の連結業績に与える影響は軽微と記載されています。
出典: 株式会社JSecurity「固定資産(無形固定資産)の取得に関するお知らせ」(2026年10月05日公表)
中小企業の経営者は、どう読むか
会社を買うのではなく、製品そのものを買う形です。株は動きません。
買うのは、ソースコードとアルゴリズムとデータベースの構成と、それに付く著作権です。
中小企業でも、会社ごとではなく製品や許諾だけを売る形はあります。事業譲渡に近い話です。
この形を選ぶと、相手の会社の借金や訴訟を引き受けません。欲しいものだけを取ります。
一方で、作っていた人は付いてきません。技術だけ買っても、動かす人が居るかは別です。
開示は、自社の開発・販売の仕組みと組み合わせて日本向けに作り直すと書いています。
値段は守秘義務で出ていませんが、自社の純資産の三割以上だと書いてあります。
出せない金額でも、大きさの目安だけは示す。開示の基準に沿った書き方です。