情報セキュリティのフーバーブレインは2024年9月30日、株式会社ARPEGGIOの発行済株式の一部(議決権所有割合51.7%)を取得し、連結子会社とすることを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社フーバーブレイン(3927・東証グロース市場) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ARPEGGIO(SES事業、教育事業 他) |
| 所在地 | 東京都目黒区 |
| 手法 | 株式取得(発行済株式の一部・31株、議決権所有割合51.7%を取得して連結子会社化) |
| 対価 | 普通株式103百万円、アドバイザリー費用等(概算額)16百万円、合計(概算額)119百万円。開示資料は「外部専門家によるデューデリジェンス及び株式価値評価(実績及び今後の事業計画の精査から見込まれる将来のフリー・キャッシュ・フローを踏まえたDCF法による)の結果を勘案し、相手先と協議のうえ、決定」と記載 |
| 日程 | 2024年9月30日 取締役会決議・株式取得契約締結・株式取得実行 |
開示資料によれば、異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、取得株式数は31株、異動後は31株(議決権所有割合51.7%)です。取得価額は普通株式が103百万円、アドバイザリー費用等の概算額が16百万円、合計の概算額が119百万円です。取得価額は外部専門家によるデューデリジェンス及び株式価値評価(実績及び今後の事業計画の精査から見込まれる将来のフリー・キャッシュ・フローを踏まえたDCF法による)の結果を勘案し、相手先と協議のうえ決定したと記載されています。日程は、取締役会決議日、株式取得契約締結日、株式取得実行日がいずれも2024年9月30日です(出典:株式会社フーバーブレイン 2024年9月30日公表資料)。
対象会社は2022年10月5日設立、資本金3百万円、従業員数39名で、取得前の株主は個人が90.0%、株式会社MAISON MARCが10.0%を保有していました。経営成績は2023年9月期が売上高29百万円・営業利益△10百万円・純資産△7百万円、2024年9月期第3四半期が売上高116百万円・営業利益27百万円・純資産19百万円です(出典:株式会社フーバーブレイン 2024年9月30日公表資料)。
買い手は、優秀なITエンジニア人材を多数有する「エンジニア集団の構築」をグループ戦略として推進していると説明しています。対象会社は未経験者を3か月間で戦力となる人材に育成する独自メソッドを持ち、創業2期目で延べ8,500人を超える入社希望者が集まり高い採用ノウハウも有していること、研修を経た人材は現場適応能力が高いと評価され相対的に高単価案件の獲得につながっていることを挙げています。
中小企業の経営者は、どう読むか
開示資料は、金額をどう決めたかを具体的に書いています。外部の専門家が調べ、将来の資金の流れをもとに価値を評価し、その結果を踏まえて相手と話し合った、という順番です。算定の結果がそのまま金額になるのではなく、材料として使われます。
対象会社は前の期は営業赤字で、純資産も負でした。当期に入って黒字に転じています。将来の資金の流れで評価する方法をとると、過去の赤字よりこれからの見込みが金額に効きます。どの方法で見るかによって、同じ会社の値段は変わります。
買い手が取得したのは過半だけで、残りは元の株主の手元に残ります。事業を作った人が株主として残る形で、育成のやり方そのものが値打ちである会社では、その人が抜けると中身が薄くなるためです。
買い手が評価したのは、人を集めて育てるやり方でした。設備も特許もなく、社歴も短い会社です。それでも買い手が払う理由になったのは、自分では作れないしくみを持っていたことです。自社の強みが形の無いものであっても、説明できれば評価の対象になります。