ITエンジニアに特化した事業を手がけるTWOSTONE&Sonsは2024年9月30日、エンジニアマッチングサービスを手掛ける株式会社Careconの全株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社TWOSTONE&Sons(7352・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社Carecon(エンジニアマッチングサービス) |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 手法 | 株式取得(25,578株・議決権所有割合100.0%を取得) |
| 対価 | 普通株式625百万円、アドバイザリー費用等(概算額)5百万円、合計(概算額)630百万円 |
| 日程 | 2024年9月30日 取締役会決議・契約締結・株式譲渡実行 |
開示資料によれば、異動前の所有株式数は0株(議決権所有割合0.0%)、取得株式数は25,578株、異動後は25,578株(議決権所有割合100.0%)です。取得価額は普通株式が625百万円、アドバイザリー費用等の概算額が5百万円、合計の概算額が630百万円です。日程は、取締役会決議日、契約締結日、株式譲渡実行日がいずれも2024年9月30日です(出典:株式会社TWOSTONE&Sons 2024年9月30日公表資料)。
対象会社は2018年3月20日設立、資本金1,000万円で、株主はインフィック株式会社が100%を保有しています。相手先の事業内容は介護総合支援事業です。対象会社の直近3期の売上高は2021年10月期が693百万円、2022年10月期が633百万円、2023年10月期が589百万円、営業利益は同順に△2百万円、△1百万円、△2百万円、経常利益は8百万円、1百万円、2百万円です(出典:株式会社TWOSTONE&Sons 2024年9月30日公表資料)。
買い手は、自社の中核事業のひとつであるフリーランスエンジニアと企業のマッチングサービスについて、ITエンジニア人材ニーズの多様化と求められる業務の高度化に際し、多様な人材の確保とチーム組成体制の構築が必要であると認識していたと説明しています。対象会社が同様のビジネスを営み人材教育・顧客獲得等の面で独自のノウハウを持つことから、双方の顧客基盤とエンジニアのデータベースを掛け合わせることを見込んでいます。また対象会社の財務状況を慎重に検討した結果、自社グループのアセットの活用や経営の効率化により収益体質の改善が見込めると判断したとしています。
中小企業の経営者は、どう読むか
対象会社は営業利益が三期続けて赤字です。それでも買い手は、自社のしくみを入れれば収益の体質は変えられると判断して買っています。赤字であること自体が、譲渡できない理由になるわけではありません。
見られているのは利益の額ではなく、何を持っているかです。この場合は登録しているエンジニアと、顧客と、人を集めて育てるやり方でした。赤字の理由が「売れていない」ことなのか「経費のかけ方」なのかで、買い手の受け取り方は変わります。
売り手は介護の会社です。自社の本業から離れた事業を持っていたのを手放した形になります。本業と離れた事業は、自社では伸ばしきれず、その分野の会社なら伸ばせることがあります。複数の事業を持っているなら、どれが自社に合っているかを見直す機会になります。
決議した日、契約した日、株式が動いた日がすべて同じです。相手が非上場で、許認可や外部の承認が絡まなければ、ここまで短くできます。長くかかるかどうかは、会社の大きさより、間に挟まる手続きの数で決まります。