アミューズメント施設などを展開するGENDAは2026年9月30日、グループが株式会社アイ・コミューンの展示会事業を譲り受けることとしたと公表しました。開示資料には、本件は東京証券取引所が定める「事業の全部又は一部の譲渡又は譲受け」にかかる適時開示軽微基準の範囲内であり、任意で開示するものであることから一部事項の記載を省略していると記載されています。

開示された事実

譲受(買い手)株式会社GENDA(連結子会社のディー・エイト株式会社が譲受)(9166・東証グロース市場)
譲渡(売り手)株式会社アイ・コミューン(東京都千代田区。企業イベント等の企画・制作、展示会等の企画・運営、販売促進及びプロモーションの企画・制作。展示会事業のみを譲渡し、会社は存続)
譲渡対象株式会社アイ・コミューンの展示会事業(業界団体・官公庁・各種機関が主催する見本市・展示会等の企画から運営、事務局代行までをワンストップで請け負う展示会事業)
所在地東京都千代田区
手法事業譲受(適時開示軽微基準の範囲内であり、任意で開示するもの。譲受の対象となる負債はない)
対価非開示(開示資料に「当事者間の守秘義務契約に基づき非開示ではありますが、対象事業の直近決算期の実績を基に算定した調整後EBITDAに対して、事業価値/調整後EBITDA=3.5xに相当する水準です」と記載)。決済は事業譲受日に手元現預金による現金決済
日程2026年9月30日 契約締結/2026年11月1日 取引実行予定

開示資料によれば、譲受価額は当事者間の守秘義務契約に基づき非開示としつつ、対象事業の直近決算期の実績を基に算定した調整後EBITDAに対して、事業価値/調整後EBITDA=3.5xに相当する水準であると記載されています。開示資料は、対象事業の調整後EBITDAを「対象事業のEBITDAに、譲渡人における個別の事情に基づき発生していた費用や、対象事業を独立した事業として運営するうえで必要となる費用水準との差異等を加減算し、対象事業の正常収益力を示すよう算定した数値」と説明しています(出典:株式会社GENDA 2026年9月30日公表資料)。

本事業譲受の対象となる資産は対象事業に属する資産のうち双方で合意したもので、事業譲受の対象となる負債はありません。決済方法は事業譲受日に手元現預金による現金決済を予定しています。日程は、契約締結日が2026年9月30日、取引実行日が2026年11月1日の予定です(出典:株式会社GENDA 2026年9月30日公表資料)。

譲り受ける側の連結子会社は2012年4月2日設立、資本金1,000万円で、展示会やイベントにおける企画・設計・監理及び制作を手がけています。売り手は2005年6月2日設立、資本金300万円で、譲り受ける側の子会社との間で取引があると記載されています。買い手は、自社グループの企画・設計・監理及び制作の機能に、売り手が有する企画・運営ノウハウ及び顧客基盤が加わることで、上流の企画提案から施工、開催当日の運営に至るまでワンストップで提供できる体制が構築されると説明しています(出典:株式会社GENDA 2026年9月30日公表資料)。

出典: 株式会社GENDA(TDnet 適時開示。東京証券取引所 適時開示情報閲覧サービス)「株式会社アイ・コミューンの展示会事業の譲受に関するお知らせ」(2026年09月30日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

金額そのものは伏せながら、何倍で買ったかだけを書いています。事業の値段を、利益の何年分として見る考え方です。倍率が示されると、金額を出さなくても水準の見当がつきます。

そのうえで、もとになる利益をそのまま使っていません。売り手の個別の事情で出ていた費用や、独立した事業として回すのに必要な費用との差を足し引きして、平常の姿に直した数字を使っています。これは中小企業の評価でも同じで、社長の個人的な支出や、身内への報酬を直してから見ます。

だから、決算書の利益がそのまま値段の土台になるわけではありません。何を足し引きすべきかを自分で説明できると、話が早くなります。逆に説明できないと、買い手が保守的に見積もることになります。

負債は引き継がないと明記されています。事業だけを譲る形では、何が移って何が残るかを一つずつ決めます。借入が売り手に残るなら、それをどう返すかは売り手側の課題として残ります。

売り手は会社を手放したわけではなく、複数ある事業のうち展示会の部分だけを譲っています。買い手と売り手は以前から取引のある関係でした。取引先は、買い手の候補としてもっとも近いところにいます。

この業種のM&A・事業承継のページを見る

本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。