ソフトウェアテストを主体とするバルテス・ホールディングスは2024年10月24日、タビュラ株式会社の株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。

開示された事実

譲受(買い手)バルテス・ホールディングス株式会社(4442・東証グロース)
譲渡対象タビュラ株式会社(UI/UXデザイン開発事業、コンサルティング事業、その他開発事業)
所在地東京都新宿区
手法株式取得(全株式を取得し子会社化。業績の達成度合いに応じた条件付取得対価(アーンアウト)の条項を付加)
対価普通株式800,000千円。これに加えて2025年1月期から2026年1月期の業績の達成度合いに応じ、最大150,000千円のアーンアウト対価を現株主に支払う条項を付加(取得価額は第三者機関による会計・税務・法務デューデリジェンスの結果等を踏まえて決定)
日程取締役会決議・契約締結 2024年10月24日/株式譲渡実行日 2024年11月8日(予定)

開示資料によれば、取得株式数は1,000株で取得後の議決権所有割合は100%、取得価額は普通株式800,000千円です。これに加えて契約には業績の達成度合いに応じて条件付取得対価を現株主に支払う条項が付加されており、2025年1月期から2026年1月期の達成度合いに応じて最大150,000千円が支払われます。対象会社は2019年3月設立、資本金1,000千円で、純資産は直近3期で22,857千円、35,348千円、73,285千円、売上高は48,699千円、71,958千円、165,891千円、営業利益は18,369千円、17,557千円、53,702千円です。株主構成は相手方の意向により非開示とされています(出典:バルテス・ホールディングス株式会社 2024年10月24日公表資料)。

同社は本件株式取得の資金調達のため、一部借入の実施を予定しているとしています。

取得の理由として同社は、M&Aの対象先について、真似のしにくい技術力を持つこと、継続的な収入の拡大が見込めること、既存顧客への相互販売や専門的知見の共有でグループ全体の底上げにつながることを条件に検討してきたこと、対象会社がこれらを十分に満たしていると判断したことを挙げています。今後は自社グループのマーケティング・営業面での協力、採用面の支援、グループ入りによる信用力の向上により対象会社の事業拡大を見込むとしています。

出典: バルテス・ホールディングス株式会社(TDnet適時開示。TDnetでの公開期間が終了しているため、URLは株探が保存する原本PDF)「タビュラ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」(2024年10月24日公表)

中小企業の経営者は、どう読むか

価格が固定額と、あとから業績に応じて支払われる分の二段構えになっています。アーンアウトと呼ばれる形で、買い手は将来の不確実さを値段に織り込みすぎずに済み、売り手は伸ばせば追加でもらえます。渡したあとも自分が経営に関わる場合に使われます。

ただし、あとから受け取る分は「いくら受け取れるか」が自分の手だけで決まりません。買い手の方針や人の配置で数字が動くこともあります。どの指標で測るのか、算定の元になる数字を誰が作るのかまで契約で決めておかないと、あとで揉めます。

買い手が対象先の条件を三つ明記しています。真似しにくい技術、継続的な収入、既存顧客に売れること。上場企業の買い手には探す基準があり、それは中期経営計画や開示から読めます。自社がどの基準に当てはまるかを見ておくと、相手選びが具体的になります。

買い手は資金の一部を借入で用意すると書いています。手元資金だけで買うわけではないということです。融資が前提になっている案件では、金融機関の判断が日程に影響します。売る側も、相手の資金の当てを聞いておく意味があります。

対象会社は設立から数年で、資本金も小さく、売上は一億円台です。それでも八億円を超える値段がついています。伸びの速さと利益率が評価された形です。

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本記事は、各社が公表した適時開示資料などの一次情報を当社が要約したものです。当社の成約実績ではなく、当社が関与した案件でもありません。記載の事実は公表日時点のもので、その後変更されることがあります。詳細は出典の資料をご確認ください。