SNSマーケティングを手がけるラバブルマーケティンググループは2024年12月9日、子会社の株式会社コムニコが株式会社アーティザンの事業の一部であるインフルエンサーマーケティング事業の譲受について合意し、事業譲渡契約を締結することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 株式会社ラバブルマーケティンググループ(子会社の株式会社コムニコが譲受)(9254・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社アーティザンの事業の一部(インフルエンサーマーケティング事業)(料理教室・食インフルエンサーと協働する食関連に特化したマーケティングサポート・アドバイザリー事業) |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 手法 | 事業譲受。相手先の事業の一部を子会社が譲り受ける |
| 対価 | 譲受価額50百万円。これに加えて条件付取得対価の合意があり、一定期間の将来業績に応じて最大50百万円の支払いを行う契約。決済方法は現金 |
| 日程 | 取締役会決議 2024年12月9日/契約締結日 2024年12月11日(予定)/譲渡実行日 2024年12月20日(予定。開示資料の表記は「株式譲渡実行日」) |
譲受価額は50百万円です。開示資料は、これに加えて相手先との間で条件付取得対価の合意がなされており、一定期間の将来業績に応じて最大50百万円の支払いを行う契約となっていると記載しています(出典:株式会社ラバブルマーケティンググループ 2024年12月9日公表資料)。決済方法は現金です。
譲受事業の経営成績は、2024年3月期実績で売上高26百万円、営業利益8.9百万円です(出典:株式会社ラバブルマーケティンググループ 2024年12月9日公表資料)。譲受事業の資産、負債の項目及び金額は現時点では確定しておらず、確定次第速やかに開示するとしています。
譲受事業は、日本全国2,000の料理教室・食インフルエンサーと協働し、食関連に特化したマーケティングサポート・アドバイザリー事業などを、オンライン施策からリアルイベントの開催まで一気通貫で展開していると記載されています(出典:株式会社ラバブルマーケティンググループ 2024年12月9日公表資料)。
譲受の目的として買い手は、子会社のインフルエンサーマーケティング領域のサービス強化を図るとし、相互送客によるアップセル・クロスセルでの顧客単価の向上、新規顧客の獲得などのシナジーが見込まれるとしています。日程は取締役会決議日が2024年12月9日、契約締結日が2024年12月11日(予定)、譲渡実行日が2024年12月20日(予定)と記載されています(出典:株式会社ラバブルマーケティンググループ 2024年12月9日公表資料)。なお開示資料は、事業譲受であるにもかかわらずこの欄を「株式譲渡実行日」と表記しています。
中小企業の経営者は、どう読むか
対価が二段構えになっています。契約の時点で払う分と、その後の業績に応じて払う分です。後から払う部分をアーンアウトと呼びます。買い手は将来の不確かさを抱えずに済み、売り手は伸びれば追加で受け取れます。
ただし、後から受け取る分は確実ではありません。何をどう測るのかを契約で決めておかないと、あとで揉めます。売上か利益か、どの期間か、誰が計算するのか。渡したあとの経営は買い手が握っているという点も、見落としてはいけません。
譲り受けたのは会社ではなく事業です。しかも売上は二千万円台と小さい事業です。それでも上場企業のグループが買っています。規模ではなく、そこにある人のつながりが理由に挙げられています。
譲受事業の資産と負債の内容は「現時点では確定していない」と書かれています。事業だけを切り出すときは、何を移して何を残すかを一つずつ決める作業が必要で、契約の時点で全部が固まっているわけではありません。
自社の事業のうち一つだけを渡すという形は、中小企業でも取れます。本業を続けながら、別の事業だけを引き継いでもらうという選択です。会社を手放すかどうかの二択ではありません。