地盤ネットホールディングスは2025年1月6日、一般社団法人ハウスワランティ及び同グループ各社の「地盤調査・解析・保証及び各種コンサルタント等」の事業を取得するため、同法人の代表理事が事業譲受のために設立予定である新会社の全株式を取得し子会社化することを決議したと公表しました。
開示された事実
| 譲受(買い手) | 地盤ネットホールディングス株式会社(6072・東証グロース) |
|---|---|
| 譲渡対象 | 株式会社ハウスワランティ(仮称・新設予定)(地盤保証事業及び各コンサルティング業) |
| 所在地 | 東京都墨田区 |
| 手法 | 一般社団法人と関係会社の合計4社が、事業用資産・負債を代表理事が新たに設立する株式会社へ譲渡し、買い手がその新会社の全株式(200株・議決権所有割合100.0%)を取得する |
| 対価 | 株式取得費用250百万円、アドバイザリー費用等21百万円、合計271百万円 |
| 日程 | 臨時取締役会決議・契約締結 2025年1月6日/新会社の設立予定 2025年2月/株式譲渡実行 2025年4月1日(予定) |
取得株式数は200株で、株式取得費用は250百万円、アドバイザリー費用等は21百万円、合計271百万円です(出典:地盤ネットホールディングス株式会社 2025年1月6日公表資料)。開示資料は、株式取得費用について財務デューデリジェンスの結果等を踏まえ、第三者算定機関の株価算定を元に検証して合理的に算定しており、負ののれんの発生は見込まれていないとしています。
新会社は2025年2月に設立予定で、会社設立後、株式譲渡日までに4社の事業用資産・負債を譲り受ける予定です(出典:地盤ネットホールディングス株式会社 2025年1月6日公表資料)。譲渡する側の一般社団法人は2009年7月設立で、売上高は1,396百万円、1,222百万円、1,261百万円、純資産は813百万円、769百万円、801百万円です。
譲渡する4社のうち1社について、開示資料は「直近3年間は事業活動を行っておりませんが、事業上必要な許認可を有しているため譲渡対象としております」と注記しています(出典:地盤ネットホールディングス株式会社 2025年1月6日公表資料)。また別の1社は株主が分散しており、出資者を取りまとめのうえ新設会社に譲渡予定と記載されています。
取得の理由として買い手は、住宅市場で新設住宅着工戸数の減少が続き、地盤補償業界では価格競争が激化して収益率の低下が課題であると述べています。互いに単独で10%前後の市場シェアに留まるより、グループ化により約20%まで拡大するシェアを活用してスケールメリットを生かすべきと判断したとしています(出典:地盤ネットホールディングス株式会社 2025年1月6日公表資料)。株式譲渡実行日は2025年4月1日を予定しています。
中小企業の経営者は、どう読むか
渡す側は一般社団法人です。一般社団法人には株式がないので、そのままでは株式譲渡ができません。そこで代表理事が新しく株式会社を作り、そこへ事業を移してから、その株式会社の株式を渡す形にしています。会社の器が株式会社でない場合、まず器を作る作業から始まります。
四社の事業を、一つの新会社にまとめてから渡しています。関係する法人が複数に分かれているとき、この形で一本化できます。どの法人に何が入っているかを整理する作業が前提になります。
四社のうち一社は、三年間事業をしていません。それでも譲渡の対象に入っています。理由も書かれています。事業上必要な許認可を持っているからです。動いていない会社にも、許認可という値段の付く資産があり得るということです。
別の一社は株主が分散していて、出資者を取りまとめてから譲渡すると書かれています。株式が分かれている会社は、渡す前に集める作業が必要です。ここでも「まず集める」が段取りに入っています。
買い手が挙げている理由は、市場が縮んで価格競争が激しいことでした。一割ずつのシェアを合わせて二割にし、規模で効率を上げるという考え方です。自分の業界が縮んでいるなら、同業がこの発想で動いている可能性があります。